OSCE

医学部OSCE(オスキー)に余裕で合格する対策方法

医学部では4年生のときに、OSCE(オスキー)と呼ばれる実技試験があります。

正式名称は、Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験というもので、臨床実習で病棟に出る前に最低限のスキルを身につけようという目的で2005年くらいから始まったものです。

よくOSCEはコミュ障じゃなければ受かるとか、追試験はコミュ障の全国大会とか揶揄されることがありますが、実際はそんなことはないです。

コミュニケーション能力よりも知識と実践を問われるので、コミュ障ではない人も対策が疎かだと追試験行きになります。

ただ、結果的に見ればOSCEは本試験でほとんどの人が合格します。本試験で落ちても追試験などもあります。

なので、そこまで恐れなくてもいいと言われていますが、受ける前はとても不安になるものです。実際に自分も受けてみて、本番の緊張感は半端じゃないなと思いました笑

限りなく合格に近い状態で試験を受けて、余裕で合格したい。

そういった人のために、自分がやったことを紹介します。

OSCEの出題問題

OSCEでどのような問題が出題されるかの例は、配布される冊子に載っていると思います。

ホームページにも掲載されています。

ただ、実際にどのような問題が出題されたのかは漏洩してはいけないということになっていて、試験前に厳重に注意されます。なので書けません。

過去に、OSCEの試験問題を前日に後輩に忍び込ませて撮影させたという事件がある大学で起こり、それが試験後に発覚して全員再受験になって例があるようです。

サンプル問題を見てもらえれば、どんな感じの試験なのかの雰囲気は掴めると思うので、必ず目を通しておきましょう。

こちらの医学系OSCE公開資料のページに、サンプル問題が乗っています。

医学系OSCE公開資料

OSCEを受験する前に知っておくべきこと

OSCEを受験する前に知っておくべきことがいくつあります。

評価の方法

OSCEの評価は、実技点と配慮点の2つで評価されます。

具体的には、

  • 頭頸部の技法・配慮
  • 胸部・バイタルの技法・配慮
  • 腹部の技法・配慮
  • 神経の技法・配慮
  • 医療面接
  • 基本的臨床手技
  • 救急

が評価対象となります。

なので、配慮点というのはかなり大きいです。OSCEでは実技と同様に、どれだけ配慮出来ているかというのが重要視されます。

出題範囲を理解する

OSCEには出題範囲があります。配布される「学習・評価項目の冊子」に載っている手技の内、*マークがついているもの以外が全て範囲です。

学習・評価項目の冊子は、医学系OSCE公開公開資料のページにも掲載されています。

またOSCEの練習では、映像教材も配布されると思います。ここで注意しないといけないのは、映像はあくまで補助教材であって、基本は「学習・評価項目の冊子」に基づくということです。

冊子ではこう書いてあるが映像では違う、という場合は冊子が優先されます。なので、映像だけを見て最後まで冊子を見ずに練習するのは避けましょう。

ときどき映像と冊子が少し違うことがありますし、冊子に書いてるが映像がないものもあります。必ず冊子を確認しましょう。特に、視診で何を述べるべきなのかは冊子できちんと確認しましょう。

また、実習に来てくれる先生もよく分かっていないことも多いので、信用せず冊子を見ましょう。おそらく採点もこの冊子に基づいて行われていると思われるので、一番重要なのは冊子です。

ヤマを張らない

OSCEの練習をしていると、これは出ないんじゃない?と思うものもときどきあります。

しかし、ヤマを張るのは危険です。本番はけっこう意外なものが出題されます。実際自分の本番ではそれが出ました。

なので、冊子に載っている以上は、それが出る可能性があると思って必ず目を通しておくべきです。本番に知らないことが出題されたらまじで焦ります。

具体的なOSCEの対策法(総論)

OSCE前の実習は真面目にこなすこと

OSCEの前に、その対策用の実習があると思います。それは真面目にしておくべきです。けっこう範囲が広いので、直前に詰めようと思っても大変です。

少しずつ内容を理解して覚えておくことで、本番前が楽になります。

必ず体と口を動かして練習すること!

本番は異常に緊張します。頭が真っ白になり、普段やらないようなミスをする人もいます。実際に、後で話を聞くと笑ってしまうようなミスをしている人が続出していました。

頭で分かっているつもりだけでは、本番に体が動きません。頭で思い出しながらやるのではなく、体に染み込ませる必要があります。何も考えずに出来るまで練習しておけば、本番もスムーズに行えます。

友達を誘って、何度も手技を繰り返して練習して下さい。実際にやると、説明に載っていない細かいところに気づきます(手を添える位置など)。それをどれだけ潰せるかが、本番に落ち着いて出来るかの鍵となります。やり過ぎだと思うくらいがちょうどいいです。

練習相手は、同じ実習班以外の人ともやる

OSCEの実習をやっていると、先生によって教え方が違うということもあり、班ごとに達成度が異なります。

なので、自主練習の時、実習班のメンバーだけでやると、全員が勘違いしていたり、抜けていたりする所があります。

それを防ぐためにも、同じ実習班外の人と情報交換をして練習をして下さい。そして、お互いに厳しくチェックして下さい。かなり良い練習になります。

時間制限があることを意識する

試験は各手技ごとに時間制限があります。本番では時間が足りないという人が続出します。

スピーディーに行えるように練習を積んでおくことが重要です。時間を測って練習するのもいいです。

配慮を忘れない

配慮点は手技と同じ比重の評価です。練習のときも面倒くさがらず、最初の自己紹介・名前の確認からしっかりと反復して行って下さい。

  • バイタルのときに、タオルを書けてあげる。
  • 途中で手指消毒が必要な場合にきちんと行う。(頭頸部)
  • 聴診器を当てるとき、触診をするときに、冷たくないかの確認。
  • 腹部の触診のときに、痛いところはないかの確認

などのは忘れやすいです。練習のときに自然に出てくるようにしておきましょう。

また、本番で時間が足りず、手技が途中で終わったとしても、終わりの挨拶はきちんとして下さい。手技と配慮点は別なので、評価対象になっています。

具体的なOSCEの対策法(各論)

頭頸部

比較的楽なセクションです。

注意することとしては、副鼻腔や唾液腺、リンパ腺などを触診するときに、同時に左右を触るのではなく、片方ずつ行うことです。焦ると同時にやってしまいます。

リンパ腺の触診は触る場所が多くて忘れそうになるので、念入りにやっておきましょう。

また、手指消毒を忘れないようにしましょう。

胸部

聴診器を多用するセクションです。聴診に関しては大丈夫だと思いますが、確認して置かなければいけないのは、視診で何を述べなければいけないかです。冊子を見て、何を確認せよと書いてあるか確認して下さい。

また、胸部に関しては、必ず座位・臥位の両方を出来るようにしておいて下さい。

冊子にもそう書いてありますし、本番もどちらが出るかは決まってません。本番で焦らないようにどちらも出来るようにしておきましょう。

配慮としては、聴診器をアルコール綿で拭いておくこと、聴診器を当てる前に冷たくないようにすることなどいくつかあります。

バイタル

バイタルの難関は血圧測定でしょう。マンシェットを何度も使って練習しておきましょう。慣れない内はけっこう難しいです。

また、呼吸数は30秒を2倍、脈拍数は15秒を4回となっているので、数字を適当に言おうと思っている人は、奇数を言ったり、4の倍数じゃない数字を言ったらおかしいので注意しましょう。

胸部と同様に、座位・臥位で血圧測定も含めて全て出来るようにしておきましょう。どちらが出るかは分かりません。下肢の脈拍測定もしっかりやっておきましょう。

配慮としては、服を脱がすのでタオルをかけたり、脈拍・血圧測定の前にリラックスするように声をかけるなどがあります。

腹部

腹部は視診で述べることが多いので、確認しておきましょう。

また、腹部は配慮する点がたくさんあります。

  • バスタオルを使ってズボンを下ろす
  • 腸蠕動音を聞く時に聴診器が冷たくないか
  • 打診・触診する前に手が冷たくないか
  • 痛い部分はないか(あるなら最後に触る)
  • 触診しながら顔を見て痛みがないか確認する(腹部ばかり見ない)

冊子に書いてるので確認して下さい。

また、視診・聴診・打診は膝を伸ばした状態でやりますが、触診は腹壁の緊張がある場合は膝を曲げると書いてるので、曲げたほうがいいでしょう。

神経

神経がいちばん大変なセクションでしょう。覚えることが多いです。本番で焦らないようにしっかり練習しておきましょう。

脳神経の診察に関しては、今自分は何番の脳神経を診察しているのか確認しながら行うといいです。

意識レベルの診察も、冊子に書いてるレベルは出題される可能性があるので、捨てずにやっておきましょう。

医療面接

医療面接は、聞かなければならない項目が多いので、かなり大変です。対策不足で望むと普通に落ちます。面倒くさがらず、練習を積みましょう。

話の上手さよりも、「規定の項目をきちんと聞けているか」が採点対象になっているようなので、聞く内容を覚えましょう。

聞く項目を覚えるコツ

痛みの症状に関してはゴロで覚えるやつがあります。

【病状の必須7項目】
例)LQQTSFA(ルクートスファ)
L:Location(どこが)部位
Q:Quarity(どのように)性状
Q:Quantity(どのくらい)程度
T:Time(いつ?いつから?)経過
S:Situation(どのような状況で)状況
F:Factor(どんな具合に?)増悪寛解因子
A:Associated nanifestaion 随伴症状

ただ、本番緊張している中、患者さんが何を話すか予想できない状況では、いちいちゴロを思い出しながら質問するのは難しいです。上の7項目ぐらいが限界でした。

なので、残りの項目に関しては、ゴロではなく、患者さんを見ながら思い出せるように工夫しましょう。

例えば、患者さんの頭からお尻にかけて、頭を見たら睡眠、口を見たら食欲、お尻を見たら排便月経を連想します。

また、患者さんの右側を見たら既往歴、左側を見たら家族歴、口を見たら常備薬酒タバコを思い出すように練習します。また、皮膚を見たらアレルギー、下側を見たら生活習慣社会歴を思い出すようにする、といった具合です。

患者さんの体に聞く項目を結びつけておくと、面接中に患者さんを見ながら聞く項目を思い出せます。一種の記憶法です。

とにかく、医療面接は項目をきちんと聞けてないと話にならないので、なんとか工夫して覚えて下さい。

また、配慮点として入室時の案内の仕方、座る位置、アイコンタクト、共感の言葉、姿勢や相槌といった様々な項目が配慮点となっていると思われます。

なので、他のセクションと同じように友達に協力してもらって練習しましょう。話が多少飛んだりめちゃめちゃになっても、態度がきちんとしていて聞く内容が聞けていれば合格するはずです。

基本的臨床手技

実習中にきちんとやっておくことが重要です。手洗いなどは、日常生活に取り入れましょう。

手袋、マスク、帽子の着用などは、着ける順番廃棄の順番廃棄の分別などをしっかし確認し、何度も繰り返しておきましょう。本番、焦ると戸惑います。

また、滅菌手袋の着用に関しては、本番は緊張による汗で入りにくいということが多発します。ここでなかなかはまらず時間を無駄にしてしまう人もいます。

練習の段階で、手を少し湿らせるなど、はまりにくいのを想定しておくといいです。1つ大きめの手袋を選択するというのも手です。

また、マスクを外す際に紐が絡まって外しにくくなるときがありますが、そういう場合は破って外してもいいので覚えておきましょう。

採血も出題される可能性があるので、流れを練習しておきましょう。

救急

救急はとにかく練習あるのみです!やってないと意外と何かが抜けます。

忘れがちなのが、倒れている人に駆け寄る前に、周囲の安全確認と、手袋・マスクなどの標準予防策を取ってから駆け寄るということです。

ときどき、AEDを持ってきてもらうのを忘れてずっと胸骨圧迫をするというコントみたいなことが起こるらしいので注意しましょう。

終わりに

多少のミスは起こるものと思っておく

本番はかなり緊張するので、思いがけないミスもあるでしょう。

ただ、OSCEは1つのブロックで不合格になったぐらいでは落ちません。ミスしてもいいという気持ちで望みましょう。

とにかく手を動かして練習する

以上に書いたことに注意してしっかり練習すれば、余裕で合格できると思います。

OSCEでやったことは実際に病棟に出たときにやらされるので、しっかり練習しておいて損はないです。

これからOSCEを受ける人たちは頑張ってください。