医学部

医学部で部活に入らない・辞めるという選択肢【医学部生の悩み】

この記事は、医学部に合格し、部活をどうしようか迷っている人、部活に入ったはいいものの、何か違うと悩んでいる人向けに書きました。

医学部で部活問題に悩んでいる人はそれなりに多いと思います。

googleの検索予測でも、悩んでいる人の多さが伺えます。

この記事が、そのような悩める人の助けになればいいなと思います。

医学部の部活事情

医学部では、他の学部とは別に医学生だけの部活があります。ほとんどの部活が運動部で、学年の7~8割の学生が運動部に所属するという特殊な環境です。

医学部の部活はかなりきっちりと活動しています。だいたい週2〜4で活動する運動部が多く、大会前などは練習が増えます。入学当初は、大学生はもっとおちゃらけているのかと思っていましたが、予想以上に真面目に部活をやっていて驚きました。

サッカー、ラグビー、野球、バスケなど、メジャーな集団競技はどこも厳しく、個人競技は比較的優しいといった印象があります。

地方の医学部であればあるほど、運動部の入部率が増えると感じます。これまでに運動部に所属したことがない、という学生ももれなく運動部に入部していきます。これは他の学部と違ってかなり特殊な環境ではないかと思います。

医学部部活の個人的な体験

新入生のころ運動部に入部

晴れて医学部に合格し、新入生として大学に入学すると早速、医学部部活の勧誘会がありました。

当時の僕は、医学部は部活に入らなければやっていけない、と思い込んでいました。

なぜなら、部活に入っていなければ、過去問などの資料が貰えなかったり、交友関係が広がらなかったりするのではないか、と思っていたからです。

とにかく、どこかには所属しなければと考えていました。

中学高校は運動部に所属していましたが、正直大学ではもうスポーツはいいかなと思っていました。ただ、医学部の部活はほとんど運動部しかなく、周りも運動部に入部していったので、自分もとある運動部に所属しました。

その運動部は個人競技だったのでそれほど厳しくはありませんでしたが、練習はやはりキツく、週3回の練習の後は毎回ヘロヘロになっていました。

内心、大学生になってなんで俺はこんなにスポーツを頑張っているんだと練習をしながら思ったこともあります。しかも大学から始めたスポーツなので経験者には敵うはずもなく、中々上達しないままフラストレーションを抱えていました。

しかし、一度入った部活を辞めるというのはなかなかしずらく、辞めることのないまま部活を続けていました。

部活に入らなければ医学部ではやっていけない?

入学当初は、部活に入らなければ医学部ではやっていけないと思っていましが、学年も上がり、それは間違いだったことに気づきました。

まず、過去問などの勉強資料に関しては、部活内で共有するということはなく、クラウドを使って学年全体で共有していました。なので、部活に入っている人も入ってない人も皆平等に資料にアクセスできました。

また、交友関係も、同じ学年では違う部活同士でも仲良くなっていて、部活に入っていないからといってハブられるというようなことは無さそうでした。

そういう事実を確認するたび、なぜ俺は部活に入ったのだろうと自問自答を繰り返し、3年生になる頃には、ますます部活に対するやる気を失っていきました。

勉強して、部活に行って、バイトに行って終わる1週間。思い描いていた学生生活とはちょっと違うなと思いました。

次第に、大学生活を楽しみたい、大学生のうちにしか出来ないことをしたい!と思うようになりました。

怪我をきっかけに部活に行くのを辞める

そして3年生のある時、部活で怪我をしました。それをキッカケに部活の練習に行くのを辞めました。

行くのを辞めた当初は、はやり罪悪感だったり、劣等感を感じて同じ部活の人の顔を見るのが億劫でした。

ただ、部活に行かなくなった時間で、自分の好きなことをすることが出来るようになりました。部活があるからこれが出来ない、あれが出来ないといった心配がなくなりました。

それからの大学生活はとても充実しました。自分の好きなことに自分の時間を使えることの素晴らしさを体感し、大学生活は楽しいんだということを実感しました。

身の回りの医学部5年生の声

5年生になり実習が始まっても、多くの人が部活に行き続けます。

部活の話はよくするので、身の回りにいる5年生の医学部生が部活に対してどのように思っているか紹介します。

A君
テニス部のレギュラー。実習中もはやく部活に行きたいと言っている。部活がすごく楽しそう。部活で活躍していてキラキラしている。

B君
バスケ部。正直もうバスケは飽きたと言っているが、5年生までやってきて今更辞められない様子。一人旅とか長期の旅行に行ってみたいけど、部活があってこれまでなかなか出来なかった。大学生活ではそれが心残り。

Cさん
大学からスポーツを始めた。正直そこまで部活は好きではないけれど、5年生までダラダラ続けてきた。後輩もたくさんいるし、ここまでやってきたから今更辞められない。6年生まで続けると思う。ただもう大会に行ったりするのが本当に面倒くさい。

D君
部活に入ったが、違うと思って1年生のときにすぐに辞めた。辞めるときは勇気が必要で、そのあと部活の人と顔を合わせづらかったが、今は自分の好きなことをして暮らしている。あのとき部活を辞めてよかった。今はとても楽しい。

E君
部活には最初から入らず、趣味に生きてきた。バイトをしてお金を稼いで趣味に使っている。大学生活は充実している。部活に入っている人を特に羨ましとは思わない。

体感的には、部活最高と言っている人は2割、惰性でやっているという人が5割、もう行くのを辞めたという人が3割といった感じです。

医学部では部活に入らないといけないのか?

僕は今の考えでは、医学部で部活に入る必要性は特にないと思います。

よくある部活に入るべき・部活をする意味の意見には、

  • 苦しい部活でもやり抜くことで精神力がつく
  • 先輩・後輩の人間関係が作れる
  • 過去問や試験の情報が手に入る

というものがありますが、それに関して思うことを書きます。

苦しい部活でもやり抜くことで精神力がつく?

「苦しい部活でもやり抜くことで精神力がつく」に関しては、本当によくある精神論だなと思います。

確かに将来苦しいことをやり抜く必要があるときが来るかもしれませんが、苦しいことが突破できるのは、突破した後に明確な目標があるからです。

受験勉強も、合格という目標があるから頑張れるのです。おそらく医師になっても、患者を助けたいだとか、良い医師になりたいという目標があるからこそ辛いことも頑張れると思うのです。

対して部活では、その競技に特に思い入れがない限りそれで将来飯を食う訳ではないので、苦しいことをやり抜くことへの目標が特にないのです。はやく部活終われと祈り、目指すのは6年生になって部活を卒業することばかりです。

そんな状況で、苦しいことをやり抜く云々言われても的外れだなと思います。

先輩・後輩の人間関係が作れる?

「先輩・後輩の人間関係が作れる」ということに関しては、確かに部活によって人間関係は作れると思います。僕も部活で一緒になった人とは仲良くなりました。

ただ、1つ考えなければならないのは、部活で一緒になった人が必ずしも自分に合う人間ではないということです。おそらく、違う部活にもっと自分と合う人もいるはずなのです。部活でコミニティーを作ることで、他の人と繋がるチャンスを失っているとも言えます。

また、部活の先輩・後輩関係が将来有利に働くと考えるのも一方的な見方かなと思います。マッチングでの初期研修病院の選択では、先輩の話のみを聞くことでバイアスがかかってしまい、本当にいい病院が目に入らない可能性もあります。それに今ではネット上で大量のマッチング情報があるので、特に先輩の情報がなくてもいくらでも話が聞けます。TwitterなどのSNSだってあります。

また、医局の影響力が薄くなっている昨今の医療業界で、部活基質を持ったところに勧誘されたりするのも面倒です。この部活からは〇〇科に行く先生が多いから、本当は行きたい〇〇科に行きにくいなんて状況になったら本末転倒です。

また、将来の勤務地が今の大学から離れた場所だったら、今の交友関係は特に役に立たない可能性もあります。特に有名病院に行きたいとかだったら部活で贔屓などまずないと思います。人脈でどうこうしてもらおうというより、自分の実力をつける方に集中した方がいいでしょう。

学生時代の先輩・後輩関係は学生時代を過ごす上で重要ですが、それが将来役に立ちそうだからという理由で接するのは間違いでしょう。将来はその場その場の病院で作る人間関係の方が大事なはずです。

過去問や試験の情報が手に入る?

「過去問や試験の情報が手に入る」ということに関しては、それが通用しなくなっている大学が増えています。現在では過去問や資料の情報を学年全体クラウドで共有するところが増えています。一部、今だに部活内でしか共有しないという殺伐とした大学もあるようですが、部活に入っていない人もこれまできちんと卒業しているはずなので、心配しなくても大丈夫でしょう。

過去問や資料のために部活にいて辛い思いをするくらいなら、その分少し不利益を被ったとしても部活をせずに勉強時間を増やした方がいいと思います。

きつい医学部部活に悩んでいる君へ

部活は合う人、合わない人がいる

部活をやっている人の中では、部活が楽しくてやりがいを感じている人もいれば、そうでもない人がいます。

部活の練習も楽しいし、仲間も最高。みんなと一緒にいるのが幸せ。という人は、部活に入ったことは正解ですし、良い学生生活を送れるでしょう。

一方で、練習はキツく楽しくない。部活の飲み会とかも面倒くさい。良く分からない決まりや行事をするのが苦痛。という人は、やはりその部活は合っていなかったということでしょう。

良いなと思って入った部活が想像と違ったということは往々にしてあります。

こんな辛いことを耐えてやり抜くことで、本当に自分のためになるだろうか?
この時間をもっと別なことに使えないだろうか?

そう悩みながら部活をやっている人は多いでしょう。

部活を辞めるという選択肢もある

医学部の部活問題を抱えている人は苦しいだろうと思います。6年間一緒に過ごす密な関係があるからこその問題もあります。

部活では元気な顔をしているけど、自宅に帰って憂鬱になる人もいるでしょう。

部活をしていることの理由を自分で正当化して無理に言い聞かせている人もいるでしょう。

僕もそうでした。

そうやって悩んでいる人に伝えたいのは、もっと自分の人生を生きる練習をしようということです。

自分が合わないと思うことを辞めるのは悪いことではないはずです。人はそれぞれ自分が輝ける場所があるので、合わない所で無理に頑張っても辛いことが多いでしょう。

誰かのために生きることも大事ですが、それ以上に自分のために生きることも大事なはずです。

自分の気持ちを押し殺さず、まずは本心に向き合ってみて下さい。本当は自分はどうしたいかを考えてみて下さい。

自分の気持ちと向き合う

もちろん、いきなり部活を辞めるということはなかなか出来ないと思います。

ただ、部活を辞めたいという気持ちに蓋をせず、それに向き合うことで、どこか切りの良いタイミングで部活を休部・引退することも出来るようになると思います。

もしかしたら、結局部活を辞められないということもあるかもしれません。

ただ、自分の気持ちに嘘をつかず向き合ったということが、卒業以降の人生できっと役に立つと思います。

部活をやめる、医局をやめる、病院をやめる、、、

これから先、色んな選択が迫られると思います。そのときやはり一番大事なのが、自分の本心に向き合うということだと思います。

僕は部活を通じてそのことを学びました。今部活で悩んでいる人は、その過程を通じて何かを学び取って下さい。

それでは。